写真は磯自慢酒造の上槽部屋の様子。オールステンレス張りの非常に清潔な部屋です。
ここだけではなく、基本的に酒造蔵内はステンレス張り、丸洗いができるようになっています。
これはどちらの酒蔵でもそうでしょうが、酒造りの作業は洗浄、消毒、清掃の繰り返し。
醗酵の現場はとにかく清潔に保つこと。この基本を徹底させることが一番大切です。
上の作業は、酒袋に醪(もろみ)を充填している所。槽(ふね)を使用する上槽作業では、
何枚もの酒袋に醪を入れて、何層にも積み上げて行きます。この日は大吟醸のしぼりです。
船の内部はステンレス張りになっています。
このように、何層にも積み上げ、最初は自重によって酒が袋からしみ出します。
最後は圧をかけてしぼりますが、その事を攻めといいます。
酒袋の総量は相当な重みになりますので、袋の中に空気などが入っていると、
重みで袋が破裂してしまいます。
簡単そうに見えるかもしれませんが、簡単な作業ではないのです。
自重によってしみ出たお酒の様子。少し見えにくいかもしれませんが、
薄く緑がかった色をしています。今がまさに「荒走り」ですね。
タンクの醪を酒袋に詰め終ると、ステンレスのフタをして、翌朝までじっくり時間をかけて
酒をしぼります。2月からてほぼ毎日、しぼり作業がつづきます。